2020年01月16日

No 38 1月10日(金)、上尾市図書館協議会が開催され、「上尾市図書館の在り方」の審議がされました

1月10日、第4回図書館協議会が開催されました。
  議題は「上尾市図書館の在り方について」
 

この議題について2回目の審議で、委員からの意見は活発でした。
出席委員=12人中7人(欠席が多かった)、 図書館職員=6人、傍聴者=8人

提出された資料の骨子 

1, 目指すべき姿の構成
    下記の2〜5に掲げる8点が、「目指すこと」の柱
2, 資料や情報の収集など基本的機能の充実
 ア、 図書館の基本的な機能の更なる充実を
 イ、 地域の歴史や文化、行政などの資料の積極的な収集を
3, 多様なニーズに対応するサービスの提供 
 ア、 レファレンス対応を強化し、市民の課題解決に資する取り組みを
 イ、 ニーズの高いI T設備の導入を
4, 教育力の向上のための支援
 ア、 生涯学習の拠点として市民の学びと活動の循環を
 イ、 若者向けのサービスを充実させ、地域教育力の向上を
5, 時代に合わせた環境の整備
 ア、 利用者ニーズや利用実態を考慮したレイアウトや備品の見直しを。
 イ、 サードプレイスとしての居心地の良い図書館の構築を
6, 留意すべき点
    現状の図書館ネットワークは可能な限り維持。
    老朽化の進行する施設への対応は、市の他の計画を踏まえて検討を進める。
7, 各館(室)の方向性
    老朽化のため対策を急ぐべき4館=@本館、A瓦葺分館、B平方分館、C上平
   それ以外の5館は、それぞれ改善充実の課題の重点を明示して実現を目指す。
8, 上平複合施設の図書館分館機能について目指すこと
 ア、 基本機能の充実。
 イ、 サードプレイスとしての図書館を目指し、居心地の良い空間の構築。
 ウ、 ニーズの高いI T設備の導入。(自動貸出機や返却機、公衆無線LAN)

委員からのご意見に注目した点 

1、他の図書館との連携についての提案が不十分と思う。
  「ヤングアダルト」という言葉が使われているが、定義が不明。
  中学生に対する読書指導活動の強化が大切と考える。
2、分館の運営状況を見ると、基本作業が不十分と思われ、委託業者には、きちんと指導でき
  る担当者が配置されているのか。 本館の職員からのチェックは行き届いているのか。
   指導とチェックが連動していないのではないかと懸念される。
3、司書と他の職員とのディスカッションを活発に行っているニューヨーク公共図書館の映
   画を見た。司書の役割をもっと強化することが必要と思った。
   図書館は、単なる「本の倉庫」であっては駄目だ。
4、 指定管理者についての記述が、「過去の(図書館協議会)の答申にとらわれることな
   く」と述べていることは中立性がなく、事務局の案としていかがなものかと思う。
   この意見を受けて、委員長から補足して、前の委員会の答申は尊重すべきとの意見が
   述べられ、図書館長が、「表現を見直しします」と表明することになった。
5、地域のニーズにもっと寄り添い、各分館に特徴が持てるようにしたらどうか。
6、蔵書も、金太郎飴のようにどの分館にも同じ本を揃えるのはもったいない。部分的に
   分担して特徴を持った方が、トータルでは無駄が少なく効率的である。
   上尾の分館は子どもの本が中心になっている。高齢者の利用が多くなっていること
   に対応すること、全世代型の蔵書にしていくことが必要だ。
7、司書は、日本の法律では必ず配置しなければならないとされていない。住民の理解
   と要求が高まらないと、行政は積極的に司書を配置しようとしない。いい図書館を
   作って行くためには住民の力が必要である。
8、上平に新たな分館を作る計画を検討するに当たって、上平公民館図書室を統合する
   ことが明確にされていないことはおかしい。上平に二つの図書館を持つことは他の
   地区に比べて不公平でもあり、無駄と思う。
9、現在の上平公民館図書室は、館ではなく室。規模も小さく、新聞も置かれていない。
   分館を含む複合施設を計画する場合は、距離も近い所なので、当然現在の図書室は統
   合して、その代わり充実した分館を作ってほしいというのが住民の願いである。
   居場所として滞在できる施設であってほしい。幼児コーナーや、郷土資料コーナー
   なども実現してほしい。

市民ウオッチャーとしての感想 

 事務局職員からの提案に対して、委員から専門家としての見識を持った意見や、地域
住民でかつ図書館に関心が深い立場での意見が次々と出されました。委員の多くが、上
尾の図書館の現状に問題を感じ、大きく改善していくことを望んでいることを感じました。
 事務局の提案は、堅実とは言えますが、現状を大きく変えていく内容は乏しく、これ
では先進的な他市の図書館に追いついていくことは難しいと委員の方々も考えておられ
るものと思われます。
 「いい図書館を実現して行くのは市民の力」、といわれた言葉をしっかり受け止め
たいと思います。
 今回、傍聴者が多かったので、委員の方々は、市民にも目を向けて意見を述べてお
られたように感じました。
今後も、傍聴(ウオッチング)に多くの市民が出かけるように努めたいものです。

次回(令和1年度第5回)の図書館協議会は、
2月17日(月)午後1時半からの予定
 



資料     上尾市図書館協議会委員名簿
 


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posted by ひろみ at 10:19| Comment(1) | 上尾の図書館

2019年10月22日

No12 台風19号の爪痕! 図書館本館にも 

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入口の一角に「立ち入り禁止区域」

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天井の一部が剥がれ落ちて 

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2階への階段の上部の天窓が青

 台風19号の爪痕! 図書館本館にも 

記録的な豪雨で、長野県、福島県、宮城県など各地に堤防決壊による大規模洪水をもたらした台風19号の被害は甚大です。
 上尾市内でも、荒川河川敷は満水となり、河川敷内にあった住宅は浸水、支流の江川では荒川の水位が高くなり、逆流となって流れ込んで氾濫、中堀川では荒川の水の逆流を止めるために水門を閉じたことにより,上流から流れてきた水が溢れた、などあちこちで浸水が起こったと聞きます。
 鴨川や芝川など住宅地を流れる川が氾濫したら全市的に広域に浸水するところでしたが、そこまでには至らなかったことはせめてもの幸いでした。
反面、多くの市民は、周辺地域で起きた浸水のことを知らずにいるのが現状です。

 強風も心配されていた台風19号でしたが。実際には15号のように酷いことは起きませんでした。
 そうした中で、市内中心部にありながら目立った被害を被ったのが、図書館本館でした。
 図書館本館では、地震によるブロックガラス壁面の危険が強調されて、7月に改修工事が行われ、1階と2階の中間の外部に庇が設けられました。
しかし、その庇は、台風には役立つものではありませんでした。
 さほどの強風が吹いた訳でもなかったにもかかわらず、写真の通り、図書館本館では、1階の天井版が風にあおられて剥がれ落ちた様子です。天窓にブルーシートが被されているのは雨漏り防止のためです。
 利用者の安全のために緊急に必要な補修を実施するとして行われた7月の工事は、防災上も片手落ちの不十分な工事と言わざるを得ません。。


posted by ひろみ at 23:52| Comment(0) | 上尾の図書館