ホテルや自宅で療養する患者の療養解除について、
埼玉県は、「独自の基準」を新たに設けました。
緊急事態宣言の期限を5月31日まで延長するにあたって、政府は、基本は全国一律としつつも特に警戒が必要な13都道府県と34県とは違った対処を認める ことにしました。
早速、大阪府では、独自の「自粛・休業」解除基準を打ち出し、東京都では、独自に休業協力金の追加給付を行うことを発表するなど、多様な対応が示されていることは前向きに受け止めるべきことと思われます。
安倍首相の記者会見と同じ5月4日の夕方、埼玉県でも、大野知事が県民へのメッセージを発表するとともに記者会見に応じました。
「メッセージ」のなかで、国の方針との違いの重要な点として、ホテルや自宅で療養する患者が多い埼玉県として、「療養解除の基準」を国より慎重にすることを強調しています。
具体的には、国の基準では「重症者に対する医療提供体制に支障が生じる恐れがある場合には、宿泊療養あるいは自宅療養などを開始してから14日間経過したあとに解除」とされています。(この点は、医師の診断もせず、OCR検査で陰性と確認もせずに解除されても不安だの声が出されている問題点です)
これに対して、埼玉県では、これまでも、発症から4週間以上経過して、かつ保健所の医師等が適当と判断するようにしてきているが、加えてOCR検査で陰性かを確認する事を付け加えることにするという内容です。
病床が少ないため、ホテル等での宿泊療養や自宅療養が多いという問題を抱えている埼玉県として、完治を確認することは「療養解除の大切な要件」と考えます。
ホテル等の宿泊施設の1,000室以上確保も達成!
本日(5月6日)の新聞報道によれば、新たに4つのホテルなど4施設で合計541室を確保できたとのことで、累計1,055室となり、「5月6日までに1,000室を確保」としていた目標を達成されたことは、大野知事はじめ関係者職員の尽力によるものと敬意を表します。
もう一つの埼玉県の重要課題であるPCR検査センター23カ所の設置も、ぜひ急いで実現されることを期待したいものです。
政府が図書館などの再開を認める方針を示した事については、知事は「現時点では難しい」との認識を示しました。
政府が、「生活を楽しみながら感染防止の対策ができる工夫」を加えて感染予防のための自粛生活の長期化を持続するために「新しい生活様式」として、博物館や美術館と共に図書館の再開を認める方針を示している事への対応については、「現時点では難しい」との認識を示しています。それどころではないということが本音ではないかと感じます。
県として判断するのは、県立の施設の範囲と割りきれば、少し遅れることはやむを得ないのではないのではないかと思います。
図書館については、数では圧倒的に多いのは市町村立図書館ですので、国の方針を受けとめて再開を検討すべきなのは、設置者である市町村です。
市町村によって感染の状況が違うこともあり、県が一律的な方針を出すこと自体が難しいはずであり、国の方針を受け止めて検討する主体は市町村が妥当と思われます。
上尾市立図書館の再開については、上尾市教育委員会のもとで、上尾市立図書館に主体的な検討を望みたい。
調布市立図書館のホームページを見ると、東京都ではすでに、都知事からの要請を受けて、5月31日まで休館を延長することを決めたと公示されています。小池都知事は、都立図書館ばかりでなく、区立図書館も、都下の市立図書館も一律に休館を要請している様子です。
埼玉県も、5月4日に開催された第15回新型ウイルス対策本部会議の資料「5月7日以降の緊急事態措置等について」の1の(2)施設の使用停止等の要請の別表には、博物館、美術館、図書館も記載されていますが、下線が引かれており、延床面積の合計が1,000u以上のものに限るとされています。
上尾市には博物館も美術館もなく、図書館も1,000uを超えるのは本館だけですので、どのように解釈するのか、注目したいものです。
上尾市立図書館が、3月6日に突如全面的に休館とされてから、すでに2ヶ月が過ぎました。図書館を利用してきた市民からは、何とか貸出業務だけでも再開してほしいという切実な声が寄せられています。
さらに1ヶ月近く休館を自動的に続けるのではなく、政府の方針を受け止めて前向きに検討されるように切望する次第です。
埼玉県における緊急事態措置の実施に関する
知事メッセージ(5月4日) YouTube動画のご紹介
(画面中央の3角ボタンをクリックするとスタートします)
2020年05月06日
No 88 新型コロナウイルス感染症の緊急事態対応がさらに1ヶ月延長されるに当たって
posted by ひろみ at 21:51| Comment(2)
| 新型コロナウイルス感染症
「上尾の図書館を考える会」は明日、世話人のwebによる会議を開催して、上尾市立図書館の再開を求めることについて協議し、市長や教育長に「要望書」を提出することを予定しています。