2020年04月06日

No 70 新型コロナウイルス感染症の「爆発」を抑えることへの「希望」!

「世界各国で増える累積感染者数」のグラフを見ると、
日本は、明らかに独特です。 


 以下のグラフは、4月5日の「朝日新聞」に掲載されていたものです。
 紫色のゾーンに入っている状態のことを「オーバーシュート(感染爆発)」と呼んでいます。
 60人以上の累積感染者数が出て以降の感染者数が、「3日で2倍」以上に増える状態のことを言うと読み取れます。
 韓国では21日間、フランスは28日間、中国とイタリアは31日間、スペインは33日間続いていました。
 韓国と中国は収まってきたと言えるようですが、イタリアやフランス、スペインは、まだ絶対数では増え続けています。
初めはゆっくりだったアメリカは11日目頃から急増し、未だ爆発的拡大が続いています。
 日本だけが、1週間で2倍のペースが28日間ほど続いた後、少し増加率が下がっている
状況ですので、なぜなのかと、世界の研究者から注目されているようです。

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「多くの日本人は免疫力が高いのではないか」という分析
が出てきました。その要因はBCGの予防接種にありと! 


 そのことを紹介している論文「BCGと新型ウイルスをめぐる考察」を以下に掲載させていただきます。
 多くのみなさまが、BCGの予防接種を受けた経験を記憶しておられるのではないでしょうか。

★BCGと新型ウイルスめぐる考察  田中 宇氏の論考 

  田中 宇 氏は、国際ニュース解説者

もうご存じの方が多いと思うが、結核菌のワクチンであるBCGの予防接種をし
た人は、BCGをしていない人より免疫力が高く、新型コロナウイルスに感染し
ても重症になりにくいのでないか、という分析が出ている。戦前からBCGの予
防接種が広範に行われ、1950年代から結核撲滅のため全国民を対象にBCGが接
種されてきた日本では、新型ウイルスの発症者の比率が世界的に見て異様に少な
い。アジアや旧ソ連東欧諸国でもBCGは広範に接種されている。対照的に、感
染者が急増している米国とイタリアでは、これまで全国民を対象にしたBCGの
接種が行われたことがない。感染者の増加がアジアより激しいフランスやスペイ
ン、英国でも、現在は全国民を対象にしたBCGが行われておらず、ワクチンの
種類もアジアと異なる。イランは1984年まで広範な接種が行われていなかった。

http://www.nytimes.com/reuters/2020/03/26/world/asia/26reuters-health-coronavirus-australia-vaccine.html
Australia Enters 4,000 Healthcare Workers in Trial for Coronavirus Vaccine

http://www.sciencemag.org/news/2020/03/can-century-old-tb-vaccine-steel-immune-system-against-new-coronavirus
Can a century-old TB vaccine steel the immune system against the new coronavirus?

全国民を対象にしたBCG接種がおこなわれてこなかった豪州やオランダでは、
今回のウイルス危機が始まった後、感染者に接触する機会が多い医療関係者を対
象にBCG接種を開始している。BCGが、結核に対する免疫だけでなく、広範
な免疫力の増大を長期にわたってもたらすことが、以前から確認されていた。確
定的でないが、BCGの接種は新型ウイルスの発症時の重篤さを低下させる効果
がありそうだ。BCG以外でも、従来の病気に対する予防接種が、新型ウイルス
への免疫力を増強させているかもしれないが、まだ確認されていない。

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東京都の感染者数が1千人を超えたことを受けて、
安倍首相は、「緊急事態宣言」を明日にも発令する予定です。 


 4月5日(日)夕方現在、日本全国合計の感染者数は前日より356人増えて4,574人となりました。
 1週間前の3月29日の夕方には感染者数2,609人でしたので、1週間前に比べると175%です。
 同じ期間の東京都の数値は、430人から1,033人に増えており、240%です。
 神奈川県、千葉県、埼玉県の3県の合計の数値は、376人から719人に増えて191%であり、1都3県合計では、806人から1,752人に増えて217%となっています。
 つまり、冒頭のグラフに戻ってみると、首都圏の1都3県合計の地域が、1週間で2倍以上の増加のラインを超えることになった訳で、深刻な事態であることは確かです。
 しかし、この間に何があったかを振り返ってみますと、3月30日に東京オリンピックの開催を1年後の7月23日からと延期することが決まったことが思いだされます。
 それまでは、日本は感染者数が少ないこと、感染防止に成功していることを世界の人々に印象づけていなければならなかった事情があったと考えられ、無理に実態を隠していたと言われても仕方がないように思われます。
 いまもまだ、なかなか検査を受けさせてもらえないという苦情が各地で高まっており、必要に応じてどんどん検査をうけられるようになれば、感染者はもっとたくさん発見されるはずと言われています。
 検査を受ける人が急増して感染者数が急増したら、ベッドや人工呼吸器、その他の資材が不足する、それ以上に、医師や看護師が不足して医療崩壊に陥ると言われています。
 「緊急事態宣言」が出されて当然の事態であることは間違いありません。
 しかし、緊急事態宣言を安倍首相が宣言するに当たっては、これまでの対応を振り返って反省点を明確にし、国民に謝罪した上で、国民に協力を求めることが必要ではないでしょうか。
 形の上では、専門家会議の意見を聴いてと述べていますが、小中高学校の一斉休校をもとめたときだけではなく、マスクを2枚ずつ全戸に配布することについても、専門家の意見を聴かずに決めた実績を安倍首相は持っています。
 緊急事態宣言が法に基づいて実施に移されると、国民の生きる権利、物言う権利を奪うことが行われる危険が懸念されます。自粛も協力も、補償があってこそできることです。
 具体化を進める都道府県の判断を尊重し、お金は国の責任で公明正大に支出することを願います。

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posted by ひろみ at 15:04| Comment(0) | 新型コロナウイルス感染症